<取材>大森靖子 最新アルバム「Kintsugi」に込められた想いとは?

エンタメ
超歌手の大森靖子が12月9日、約2年ぶりのフルアルバム『Kintsugi』をリリース。
コロナ禍において、ファンと直接交流することが困難になったなかでも、ファンと一緒に楽しめるオンライン上のイベント「大森靖子2020♡ハンドメイドホーム6♡」をはじめ、精力的にファンとのコミュニケーションを図ってきた。そして、先日11月20日には、リアル×オンラインのLIVE生配信第2弾"秘密の接触777"を実施。オーディエンスを迎える形でのLIVEとなり、このご時世だからこそファンと交流できる喜びを噛みしめている様子がインタビューからも伺えた。

『Kintsugi』は、壊れてボロボロになったものを繋ぎ合わせ、見た目は金色に輝いて補修されているが、実は漆で繋いでいるという「金継ぎ」に大森靖子が本作の人間の色々な面を詰め込んだアルバムの全体像とリンクした作品。人間の尖った部分、汚い部分、かわいい部分を濃縮した大森靖子らしいアルバムになっている。12月31日には毎年恒例のカウントダウンライブ「ひっそりカウントダウン~2021TOKYO~」が行われることも予定。
今回で第2回目となる大森靖子さんのインタビューでは、新アルバム「Kintsugi」に込められた想いや、おうちでの過ごし方の他に、本日12月9日にローンチした音声ARアプリ「SARF」との特別企画「整いマップ」についてもお話を伺った。

インタビュー|最新アルバム「Kintsugi」に込めた想いとは?

―最新アルバム「Kintsugi」をリリースされましたが、楽曲構成のこだわりを教えてください。

私は音楽って、時間軸を変えられる5次元的なものだと思っているんです。たとえば通学の時とかに音楽を聴いていると、30分の道が5分くらいに感じるじゃないですか。そんな風にすごく早く過ぎていく感覚もあれば、逆に、すごく遅くなる時もありますよね。
そういう感じが、音楽でも演出できると思っていて「どこで速くして、遅くしようか」みたいな、時空操作みたいなものを、今回すごく意識しています。
―すると、アルバムの中のスピード感も、今までとは違いますか?

今までのアルバムでは、前半にすごい速い曲をもってきて、だんだん加速して加速して奥に入り込んでいく、みたいな構成が多かったんですけれど、今回の『Kintsugi』の作品は、1曲目が「夕方ミラージュ」という曲なんですけれど、密室の独りの部屋から始まるんです。
そもそも夕方から始まるっていうのが、自分の中では珍しいんですけれど。

基本、一日って朝から始まるじゃないですか。だからアルバムも朝から始まって、夜が来て、また朝を迎えるために再生するっていうのが本来だと思っていたんですけれど、自分には「夕方を延長したい」っていう感覚が子どものころからあって。公園とかで遊んでいて、チャイムが鳴っても、まだ帰りたくないなって思っていたし、ずっと放課後がいいなって思っていたし。「なんで夕方だけあんなに長く感じられるんだろう」って思ってました。
今回は、その「長く感じる」ところの操作、自分の場合は夜のいちばん深い時間と夕方なんですけれど、そこをまず演出したいなっていうのがあったので、夕方の曲と夜の曲を最初のほうに持ってきています。
夕方を延長して、夜のどん底を描いてから、アルバムを始めるっていう形の、自分にとっては珍しい構成になっています。

―今回のアルバムはどのような想いで作られましたか?

自分は「作詞作曲家」って認識がすごく強くて、自分のフィルターを通していろんなものを見て、いろんな曲を書くっていうのが仕事だと思ってきたので、「いろんな曲を作らなきゃ」とか、「いろんな人にリーチしていかなきゃ」ってやってきていたんです。だから今までは、自分のアルバムの中でも「バズるための曲」と、「自分だけの曲」を使い分けて作っていたんですけど、今回は「自分」に徹底的に向き合いました。

この世の中で生きているのが自分だから、自分をしっかり捉えて描くことができたら、それが世の中の答えにつながっていくんじゃないかなって。そういうのって、伝わるまでには時間がかかるかもしれないけれど、絶対的に大事な作品になっていくと思うんです。だから、今回の作品は一言で言えば、「徹底的に自分と向き合って作った作品」ですね。
―アルバムに収録されている「堕教師」は、大森靖子さんの大ファンである橋本愛さんとの初の歌唱共演でしたが、どのような楽曲ですか?

私の母親が結婚する前に教師をしていて、「いろんなものを変えていきたい」とか、志をもって教師になったんですけれど、実際になってみると、学校のしきたりとか、職員室内の空気感とか、そういうものが全然自由な感じではなくて、「こういう狭い世界なんだ」って絶望して、教師を辞めたんです。
そういう母の思いもこの曲には入っているし、自分も音楽をやっていて思うんですけれど、どうしても「教養」っていう部分の「器」が受け取り手にないと、誤解して伝わってしまうと思うんですよ。だったらその「器」を、音楽家としてのアプローチで作っていけたらいいなってずっと思っていたので、そんな部分も入った曲になっています。
―果たせなかったお母さんの「志」を、娘が引き継いでいるんですね!素敵なお話です。

あと実は、一般の女の子のことも入っているんですよ。私が審査員をやっている女の子の「多様性」を応援するミスコン「ミスiD」っていうプロジェクトに出た子の中に、「教師だけど手首切ってます」っていう子がいたんです。その子がすごくおもしろくって、ブログに好きなことを書くために、教師を辞めちゃった人なんですけど、私はそのスタンスがカッコいいなって思って、その子もけっこうモデルになっています。

―どういうきっかけで、橋本さんが参加することになったのでしょうか?

橋本愛ちゃんは、自粛期間中にインスタライブでわたしの楽曲を歌ったり、演奏したりしてくださっていたんですけど、愛ちゃんの音楽に対する向き合い方って独特なんです。音の捉え方と歌詞の捉え方が実直で、一文一文をすごい解像度で分解して、自分のものにしている感じなんです。
それがすごくカッコよくって、いいなって思ったので、「この人が私の曲を歌ったらどんな風になるのかな…」ってずっと思っていて、お願いしたら、引き受けてくださったんです!
その時はもうアルバムの曲がだいぶできていた時だったので、「どの曲を歌ってもらおうかな」って思ったんですけれど、愛ちゃんは女優の仕事を若い時からしていて、学校生活に青春時代をささげたタイプじゃない人なので、そういう人に外側から、教育や学校への思いとか、学校で味わえなかったからこそ学んできたものとか、そういうものを含めて分解して、歌ってもらったら、どんな風になるんだろうって思って「堕教師」を選曲しました。

―橋本愛さんと実際に進めてみて、いかがでしたか?

歌詞の一文一文を、「これはどういうことですか?」って質問をくださったり、いろんな思いが入った曲なので、女優さんのように「ひとりの役を演じる」って感じじゃなかったと思うんですけれど、それを愛ちゃんは戸惑いつつも受け入れてくれて、分解して、落とし込むっていう作業をされていて。「もっと芯の通った役に、歌詞を作りなおすこともできますよ」って言っても、愛ちゃんは「それはしないで」って言って。そういうやりとりとかも印象に残っていますね。愛ちゃんといた時間は、全部楽しかったです。

―お互いがお互いをリスペクトしあっているんですね。ちなみにレコーディングでは橋本さんと一緒に収録されたそうですが、いかがでしたか?

自分は愛ちゃんが歌っているのを同じブースに入って、横で聞いていたんですけれど、「あ、降りて来る」みたいな瞬間がありましたね。自分も歌詞をやっていてそういう瞬間ってあるんですけれど、愛ちゃんは「降りて来るのを待つ人」じゃなくて、「引きずり降ろせる人」なんです。「はい、今から降ろしてきますよー!」みたいな。そういうのを目のあたりにして、「はあぁ~~」って感じでした!(笑)
―11月20日にワンマンライブ「#秘密の接触777」を開催され、久しぶりにお客様を迎えた形での公演となりましたが、いかがでしたか。

自粛期間後初めて、お客さんを入れてライブ配信をしたのは9月の「生誕祭」の時だったんですけれど、その時はやっぱり久しぶりだから、お互い緊張して、ちょっと“神聖視”しあっちゃう感じでした。衣装とかも自分が持っているいちばん“神聖っぽい”服を選んだりとか(笑)

でも、今回のライブはそれを1回挟んだ後だったし、自分がインディーズのころからやっていた、「新宿LOFT」っていう小さなライブハウスだったので、ファンミーティング感のあるライブっていうか、うち向けな感じで、「ライブだぜイエーイ!!!」っていう感じを、久しぶりにできたなって思いました。
―ふだんから配信もされていますが、配信とライブの違いはどういう時に感じますか?

生のライブと配信って、ライブとレコーディングくらい違いますね。もちろん、どっちの良さもあると思うんですけど。
ただ、自分の配信チームは、インディーズの時から“生の熱量”を届けられる映像を作るようにっていうことで育ててきたスタッフで、配信でも「ひとりのお客さんの視点」ということを大事にしてやってきているんです。

だからなんていうかすごい、「映像が酔う」感じなんですよ。視点がぐるぐるするんです。でも、実際ライブってそうじゃないですか。「どこ見ていいのかわかんないよ」「ソロが来たからこっち向かなきゃ」みたいな。そういう感覚をそのまま配信しているチームなので、その感じを、今の、実際にライブに足を運べない時も味わってもらえているっていうのは、本当に、彼らのおかげだなって思ってます。

インタビュー|おうち時間に変化は?

前回、7月にもインタビューをさせていただき、その時もいろんな「おうち時間」の話を伺いましたが、4か月前と今で、「おうち時間」の過ごし方に変化はありましたか?

最近は仕事が増えてきたので、家が「ぱたんと休む場所」みたいな感覚になってきていますね。自粛期間中は、録画したやつとかも見尽くしちゃって、ネトフリをあさるみたいな感じだったんですけれど、今は逆に、録画がだんだんたまってくるくらいになってきています。

―家の中でいちばん楽しい瞬間って、どんな瞬間ですか?

最近「甘いもの」と「庭」と「温泉」にすごいハマっていて、都内の庭がきれいな場所とかに、めっちゃ行っていたんですよ。癒されたくて。それを調べている時間が楽しいですね。GoToもあるし、普段はなかなか行けないような高級ホテルなんかにも行ってました。家だと「帰ってぱたん」って場所になっちゃうので、なんか、「はぁ~」って休める感じがほしいなと思って。
―「甘いもの」も気になりますね。どんなことを調べるんですか?

和の甘いものが好きなんですけれど、甘いものは「自分と向き合う時間」なので、完璧にしたくって、まず「門構え」を見てます。店の門構えをgoogleとかで調べて、門構えが整っている店にしか行かないって決めてます!

―門構え、ですか…?

自分を整えるためには、まず、周りが整っていなきゃいけないって思っているので。本当に整っている場所で、整っているものが出てきて、それを食することで整うんですよ、自分も。なので、ストイックに甘いものと向き合って、絶対に外さないように店を選び、そこに出向き、そこに出向くための道も整え続けてきて、それを写真を撮って、味わい、それをもって「整った」という。その一連の流れが…至高。
―今回、音声ARアプリ「SARF」との特別企画として、「整いマップ」というスタンプラリー企画が本日からスタートします。大森さんのおすすめのお店を選んでいただきましたが、どういう気持ちでセレクトされましたか?

「誰々の紹介だったけど、この店はずれだった」って、絶対に思われたくないじゃないですか。だから、本当に自信をもってお届けできる、「絶対に整える店」を選んでいます。和が好きなので、甘味処とかが多いんですけれど。

―かなりの候補から厳選されたんですね。

そうなんですよ!最初、候補を自分で書き出した時には30軒くらいあって、それを提出したら、「大森さん、これ5軒しか登録できませんよ」って言われて(笑)。「え、5軒??」ってなって、「そこをなんとか」って言って、7軒にしてもらったんです。本当に厳選された7軒なので、楽しんでいただきたいなと思います。
―最後に、ファンの皆様に向けてメッセージをお願いします!

ライブってやっぱり、日程が決まってて、行く場所があって、明確な「希望」だと思っているんです。「ライブがある」ってことが、自分にとってもファンの人にとっても、「仕事頑張るぞ」とか、「次まで生き抜くぞ!」とか、そういう気持ちになれるものだと思っているので、そういうものをこれからもたくさん、用意していきたいと思っています。

こんな時代なので、ライブもなかなか今までみたいにはできないですけれど、配信を見ていただいたり、「整いマップ」も作ったので、それも楽しんでほしいなって思います。「生きがい」ってなんでもいいと思うんですよ。それを私も作れる努力をするし、ファンの人がほかに生きがいを見つけたなら、それも応援したいなって思ってます。とにかく、心に希望をもって、この時代を生き抜いて、生き残ってほしいです!

―ありがとうございました!

INFORMATION

12.9リリース 大森靖子 ニューアルバム 「Kintsugi」
<リリース情報>
タイトル:Kintsugi
発売日:2020年12月9日(水)

▼ご購入はこちら
https://seikooomori.lnk.to/Kintsugi2020

▼Streaming&Download
https://seikooomori.lnk.to/Kinpatsugi

<デジタルリリース情報>
大森靖子×根本宗子「stolen worID」
Streaming&Download
https://seikooomori.lnk.to/stolenworID

<ライブ情報>
「ひっそりカウントダウン〜2021TOKYO〜」
開催日時:2020年12月31日(木) 22:40~
出演:大森靖子シンガイアズ

*オンラインチケット:2500円(税込)
https://oomoriseiko.zaiko.io/_item/332984
券売期間・アーカイヴ期間:~2021年1月3日(日)23:59まで

<「SARF」概要>
音声ARアプリ「SARF」は音の新しい楽しみ方、新しい体験の創出を目的とした、音声による拡張現実(AR)。
今までのARは、現実空間に新たなビジュアル情報を重ねて表示するなどの“視覚”の拡張を前提としていたが、SARFでは、“聴覚”による拡張を前提としており、デバイスの画面などに制限されない幅広いシチュエーションでの導入が可能となっている。
<大森靖子 整いマップ」概要>
大森靖子がオススメする"整いスポット"で音声ARアプリ「SARF」を起動すると、ここでしか聞くことのできない大森靖子の"整いポイント"が!キーワードを集めて、完成された合言葉を特設サイトから入力すると「整いましたナナコレシール」を抽選で100名様にプレゼント!
▼詳細はこちら
https://oomoriseiko.info/news/detail.php?id=1087765

▼アプリのインストールはこちら
・Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.avex.sarf
・iOS
https://itunes.apple.com/jp/app/id1540921229?mt=8

▼応募フォーム
https://ssl.avexnet.or.jp/form/official/oomoriseiko_totonoimap20201209
キャンペーン対象期間:2020年12月9日(水)~2021年1月10日(日)23:59

※抽選対象は正しい合言葉をご入力いただいた方とさせていただきます。
※ご当選者様の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※賞品の発送は2021年2月上旬を予定しております。
※都合により発送時期が前後する場合もございます。あらかじめご了承ください。